年収の壁【最終回】
106万円・3/4時間・130万円の関係をシンプルに整理
「年収の壁」は一つではありません。
特に混乱しやすいのが、
- 106万円の壁
- 3/4時間ルール
- 130万円の壁
この3つの関係です。
今回は社会保険の視点だけに絞って整理します。
〇社会保険の加入には「2つの入口」がある
社会保険への加入ルールは、大きく次の2つです。
① 3/4時間ルール(基本ルール)
正社員と比べて、
労働日数・労働時間がおおむね3/4以上であれば、
年収に関係なく社会保険に加入します。
👉 判断基準は
「いくら稼ぐか」ではなく「どれだけ働くか」です。
② 106万円ルート(短時間労働者の特例)
3/4未満の働き方でも、
一定条件を満たすと社会保険に加入する――
これが、いわゆる106万円の壁です。
ただし、誰にでも関係するわけではありません。
106万円ルートが適用されるのは
- 社会保険の被保険者数が概ね51人以上の事業所のみ
小規模事業所では、
原則として106万円の壁は出てきません。
一言でいうと、こういう整理です
- 小規模事業所
→ 判断基準は「3/4時間ルール」だけ - 一定規模以上の事業所
→ 3/4未満でも「106万円ルート」が登場
同じ年収・同じ働き方でも、
会社の規模で結論が変わる
ここが最も誤解されやすいポイントです。
〇130万円の壁は「扶養の話」
130万円の壁は、
社会保険に「入るかどうか」ではなく、「扶養に入れるかどうか」の基準です。
130万円を超えると、
- 勤務先で社会保険に入れない場合でも
- 本人が
・国民健康保険
・国民年金
に自分で加入する必要があります。
〇3つの壁の役割を整理すると
- 3/4時間:働き方(時間)の基準
- 106万円:会社規模が関係する特例ルール
- 130万円:扶養に入れるかどうかの基準
それぞれ別の制度であり、
同じ「年収の壁」という言葉で語られることで
分かりにくくなっています。
年収の壁は「超えてはいけない線」ではありません
制度を分けて考えれば、判断はずっとシンプルになります。